※この記事はリーネ クエストのストーリーのネタバレを含みます。
連休も終わりになり少し寂しさを感じております。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?
さて、僕の方はというと最近、ようやくリーネ クエストを終わらせました。
このクエストは、ちょうどこのブログを開設したころに始まったものですから、実装して約4か月後にようやく手を付けたことになります。報酬がショボいし、周りの評価もビミョーだったのでつい後回しにしたんですね・・。
実際クリアしてみての感想は、「ん~、クエストの一つとしてはこんなもんだと思うけど、当時の目玉クエストの割には内容が薄いかな?」という感じですかね。最後のリーネによる締めのセリフも、どーも腑に落ちないし。
僕は、資本主義社会では「これが正解の均衡だ」みたいなものはありえないと思っているのでね。デビルニャン以外の不幸な理由で破産した人だってたくさんいるはず。そんな理不尽・不均衡のなかで各々がもがいていく過程で経済が成り立っているのが現実であり、デビルニャンを懲らしめて元に戻った状態が「いい均衡」だという保証はどこにもないです(だからこそ社会保障が必要といえる)。
まあ、そこはリアルとは違うアストルティア特有の経済感覚があるのかもしれませんので、あまり突っ込まないでおきましょう。
その代り今回は、リーネ クエストのストーリーの一部を題材に、リーネのアクセ合成にまつわる法的考察を試みたいと思います。こんな記事に需要があるとは思えないんですが、たまにはいいでしょう(*'ω'*)
1 事実の概要
クエストの中で、リーネは海賊スクアーロに指輪の合成を依頼されます。この指輪はスクアーロがお目当ての女の子ピーチに送るためのもので、本人はおしゃれさをアップする合成効果を希望していました。
ところが、リーネはその指輪におもさの合成効果を付けてしまいます。その指輪をプレゼントされたピーチは、当然のことながらブチ切れます。かくしてスクアーロは女の子にフラれてしまい、深い精神的苦痛(?)を負ってしまったわけです。
それに対するリーネの反論は以下のとおり。
さて、リーネの反論は適切でしょうか?
もちろんサービス業としてのリーネの言動は相当問題があると思っていますが、ここは法的考察に専念して遊んでみることにしましょう。
2 指輪合成依頼契約の法的性質
まず、リーネの法的責任を考える前提として、指輪合成を依頼する契約がどのようなものなのかを考える必要があります。
⑴ 請負契約と準委任契約
今回、候補として挙げられるのは以下の2つの契約です。
請負契約
準委任契約
2つの契約の違いをザックリいうと、仕事の完成にお金を払うのが請負契約、仕事をしたこと自体にお金を払うのが準委任契約です。
請負契約の代表例は大工ですね。大工建物を建ててそれを完成させるからお金を払うわけです。それに対し準委任契約の代表例は医師。医者に治療してもらうこと自体にお金を払うのであり、その結果治らなかったとしても治療費を払う責任は生じるのです。
大工と医者の違いは分かりやすいですが、実際では両者の区別が微妙なケースがよくあります。例えば、IT業界でシステム開発を依頼するとき、どっちの契約にするべきか、なんてことが問題になります。ドラクエとは関係ないのでここでは述べませんが、一応参考リンクを張っておきます。
⑵指輪の合成はどうよ?
ではリーネに指輪を合成してもらう契約は請負でしょうか、それとも準委任契約でしょうか。これには正解はありませんので、解釈するしかありません。上記の引用記事を参考に、考えてみましょうか。
①完成物の具体的内容は確定しているか
もし内容が確定していれば請負契約、していなければ準委任契約に傾きます。
今回の指輪合成については、スクアーロが契約時に「おしゃれさ」の合成効果を付けてほしいと明言すれば、完成品の内容がより確定しますので、請負契約と解しやすくなります。
一方、他の冒険者と同様、指輪をホイと渡して合成を頼んだだけでは、完成品の内容は不明確です。この場合、医者の治療と同様、リーネによる合成の仕事自体にお金を払う意思だと判断し、準委任契約と解釈しやすくなりますね。
②報酬は単価形式か
単価形式だと請負契約と解釈しやすくなります。単価形式は完成品に対してお金を払うというスタイルに合致しますからね。
スクアーロとの契約の詳しい事情は分かりませんが、普段のリーネのお店では、以下のような説明を受けます。これがアクセ1個についての値段なのか、仕事一回についての値段なのかは不明ですので、どちらともとれる感じですね。
③代金支払い時期
請負契約の場合には目的物の完成あっての報酬ですから、後払いになることが多いです(ただし特約による変更は可能)。
リーネのお店では、報酬は先払いですね。これは「目的物がうまく完成するかわからないけどやってみるから、とりあえずお金頂戴」という意思だと解釈することが可能ですので、こう考えると準委任契約っぽいです。
④品質保証はあるか
もし品質保証があれば、請負契約に傾きます。品質保証により完成品についてのイメージが当事者間で確定しやすくなるので、「完成品にお金を払っている」という状況になりやすいからです。
今回のケースでは、海賊との契約を具体的に見ないと分かりませんが、普段のリーネの合成では、品質保証まではしていないようですね。こんなセリフからもそれがうかがえます。
つまり、指輪合成は医師の治療と同じく、運などの不確定な要素が絡むので、「失敗するかもしれないけど覚悟してね」という意図が、契約時に読み取れます。こういう場合には準委任契約と解した方がしっくりきます。
そんなこんなを総合すると、リーネとの指輪合成依頼契約は準委任契約の可能性が高いではないか、と考えます。
3 じゃあ、リーネには完成品について文句が言えないのか?
仮に準委任契約だと考えると、リーネは合成の仕事をまともにやればいいわけですから、合成品の内容にかかわらず報酬を受け取ることができます。したがってリーネは詐欺師でもなんでもなく、彼女の反論は正しいということになりそうです。
とはいえ、リーネに全く落ち度がなかったのかというとそんなことはないでしょう。
仮にリーネが今回の指輪について、女性に贈るものだと知っていたならば、契約時に合成が失敗することを(通常の冒険者の客よりも詳しく)説明する義務があると考えます。相手がおしゃれさという特定の合成効果を望んでいると分かる場面ですからね。
そうだとすると、そういった説明義務違反ということでリーネには損害賠償を請求してやってもいいかもしれません。もちろん、スクアーロ側が指輪に関する事情を契約時にしっかり説明していない場合には、彼にも落ち度があるので、請求額は大幅に減額されてしまうでしょうけど。
4 さいごに
こんな争いになるから、契約時に内容はしっかり確認しておきましょう、という話になってしまうんですね。僕は、こんな感じでドラクエから教訓を得ることが多いですw
ちなみに、今回の契約を請負契約と解しても結論は似たような感じになると思いますよ。つまりリーネとしては「一応まともな合成効果がついているんだから、合成品は完成している。だから報酬を受け取っても問題はない」と言い得るからです。
あとは、今回の指輪が当事者が予定したまともな完成品か、の解釈になり、もし不備があるといえるなら、リーネに瑕疵担保責任で損害賠償請求するということになるでしょう。
あくまで僕個人の余興の解釈なので、みなさんには何の役にも立たない
記事でしたねww
それでもここまで読んでくださって、ありがとうございました<(_ _)>