※この記事には、Ver5.2メインストーリーについてのネタバレを含みます。
ご訪問ありがとうございます。
前回、魔界大戦後のゼクレス国の様子を見てきました。
生まれ変わったアスバルが国政立て直しのために高らかに宣言する感動的なシーンを楽しむことができました。
しかし個人的には、やはりアスバルに現時点のゼクレスを統治する力量があるのか若干疑わしく思ってます。そしてオジャロスを魔物として退治すべきだったのかについても若干の疑念があります。
今回は、そのへんの問題点少々述べてみたいと思います。
1 貴族階級の措置
Ver.5.1以前、ゼクレスの政治は、実質的に皇太后エルガドーラが牛耳っていました。
高圧的な態度で絶対権力を振りかざす彼女には個人的に全く共感できませんが、不思議なことに民間からはこれといった不満はありませんでした。
彼女は貴族と平民との利害調整が上手かったようで、貴族には潤沢な財産の保証、及び平民には国威発揚による愛国心(及び他への差別意識)を植え付けることで、王政への批判を逸らしていたのでしょう。
オジャロスもそんな実績のあるエルガドーラの弟であり、(表面的ではあるものの)温厚で真面目な人柄なので、国民からは相応の信頼を得ていたものと思われます。
現にエルガドーラ失政後は、オジャロス政権を待望する国民も少なくありませんでした。
そんな中、後ろに引っ込んでいた頼りないアスバルが、突然オジャロスに対して国外追放宣言を出したら、どう思うか?
僕ならまず下等民によるクーデターを疑います。
現政権を快く思わない勢力が、アスバルを傀儡として新政権を目論む。そんなストーリーが浮かんできます。
案の定、アスバルは身分制度を廃止することを考えているようです。
ただでさえ大戦の混乱で自らの立場が危なくなりつつある貴族が、これを黙って受け入れるでしょうか?前国王のようになるのがオチじゃないですかね。
前国王のときには、エルガドーラが貴族を懐柔して内戦を回避したようですが、今回はそういう立ち回りができそうな人はいません。
不満を持った貴族階級にとっては、オジャロスの悪行なんて所詮王族内のゴタゴタであり大したことには感じないでしょう。むしろいかがわしい改革宣言を行ったアスバルを疎ましく思うはずです。
戦後の疲弊時に、こんな内紛の火種を撒くようなことをしていいのだろうか?
貴族の不満を抑え込むほどの政策を立案できる人物がいない今後のゼクレスには、不安しかありません。
そのような混乱を生むなら、あるいはオジャロス政権の方が・・
ついそんな気持ちになってしまいます。
2 魔瘴とオジャロス
僕は当初、本物のオジャロスは既に魔瘴で死んでいて、魔瘴魂がオジャロスに化けていたのではないかと思っていたんです。
そして「魔瘴魂なんかに王政を任せるなら、アスバルの方がマシかな」と考えて、アスバル政権を支持しようと試みました。
でも、オジャロスの変身シーンを見てみると、むしろ彼が魔瘴魂を利用して自分の姿を変えたとみるのが自然なようです(DQ10大辞典も同様の解釈をしてます)。
確かにオジャロスは、魔瘴魂を自らの強化に使うことを研究していた節がありますね。
彼の書斎には魔瘴魂についての文献がありますし。
しかもオジャロスの領地は、城から遠く離れた僻地にある魔瘴塚の近くです。
確かに親兄弟から冷遇されていた彼が、僻地に左遷されていたという見方もできますが、いくらなんでも皇太后の弟を魔瘴塚の近くに置くというのはやりすぎな気がします。
むしろオジャロス自身が魔瘴魂を研究するためにこの領地取得を申し出たと考えられないでしょうかね。
さて、このように魔瘴魂を利用するオジャロスは悪い奴でしょうか?
エルガドーラは国王たる息子を怪物にしてミサイルをぶっ放してますが?
アスバルもブチ切れると巨人を呼んで暴れまわりますが?
そもそもここの王族は、そういうエキセントリックな奴らなんです。
杖を使ってカエルになるオジャロスなんて可愛いもんでしょう。
3 オジャロスの粛清行為について
オジャロスの悪行を裏付けるものとして、彼が自分に異を唱えるものを次々に殺していったことが挙げられます。
なるほど、そりゃ悪い。
ただ、このような粛清は絶対王政ではありがちなこと。エルガドーラやヴァレリアを見た後だと義憤もそれほど湧きません。
ましてこれをもって「オジャロスが国を滅ぼそうとしていた」(家臣談)と評するのは、ちと飛躍がすぎるでしょう。
もちろんこんなことをするオジャロスに善政は無理かもしれないけど、流石に王族の血を引く貴族なんだから、魔物のように国を亡ぼすことはしないはずです。
果たしてこれをもって、主人公たちが寄ってたかってリンチしなければならないほど彼が悪魔的な存在だといえるのだろうか?
オジャロスをやっつけた後もそんな考えが残るので、今一つ世界を救ったという達成感がありません。
4 さいごに
以上、アスバル政権への不安とオジャロスを成敗したことへの一抹の違和感を軽く記してきました。
勿論オジャロスは悪い奴なんでしょう。
しかしVer5.2において、彼がこれほどまでに悪魔化され、一方でアスバル(及びエルガドーラ)が英雄視されることが今一つ腑に落ちんのです。
少々悪いことをしても見た目のいいキャラは同情され、冴えないおっさんが悪いことをすると袋叩きに遭うってことじゃないか?
ひねくれた解釈ですかね。
そんなことを考えてつつも、これから生暖かくゼクレスを見守っていこうと思います。
それでは、また。