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今回は最近読んだ本の中から、DQ10の占い師について気になったことをぼやいてみたいと思います。
その本がこれ。
筆者は香山リカ。
この人の政治思想を取り上げると、ミギだのヒダリだのと面倒くさい方向になりますので、今回は心理学的なテーマのみに注目しましょう。
この本の中で、占いをする際の心理状況を分析しています。特に若者が占いをする理由にてこんなことを指摘していますね。
・自分のすべてを知る者の存在を確かめることで安心感を得たい
・現実で起こる理不尽を運勢のせいにして納得したい
特に後者は、社会が混迷し「努力すれば幸せになれる」という価値観が薄れ、無気力感が漂う現代社会において顕著な傾向なようです。
このような点に占いの本質があるとすれば、ドラクエⅩの占い師のやっていることは果たして「占い」といえるんでしょうか?
以下では、そんなことを戯れに考察してみたいと思います。
占い師のクエストを受けたことがある人は分かると思いますが、ドラクエの占い師って、依頼者の「心の闇」を象徴するモンスターと戦いますよね。
モンスターを倒すと、依頼者の心のわだかまりが解けて物事が前向きに進みます。
心の闇を倒すことで人を苦しみから解き放つこと、これがアルカナ・セラピアの本質であるとユノが明言しています。つまりDQ10の占い師の本質は、やはり「悪との戦い」にあるようです。
こういう行為は、上述の香山の分析に見る占いと比べて、えらく積極的です。
心の闇の根源を占い師自らがやっつけちゃうんですからね。
しかし現実社会では、心の闇はやっつけることができません。むしろ死ぬまで付き合っていかなくてはいけない。そうなると、「大いなるもの」にすがって安心感を得たり運勢で自分を納得させたりして、心の闇との折り合いを付けていかなくてはならないのでしょう。
そんな折り合いをつけるためには、ときに占い師自らが人生相談めいたことをして依頼者を強力に誘導していくことが必要です。占い師に自己主張の強いクセのあるオバちゃんが多いのもそれを暗示しているのかも。
ところがドラクエの主人公はしゃべりません(というか、しゃべる演出をしません)。
運勢やら「大いなるもの」やらを理由に、依頼者を説いて誘導するなんてキャラクターはそもそも似合わないんです。
そうなると、DQ10の占い師は、現実の占い師とはかなり本質的なギャップがありそうです。悪いものをやっつける、あるいは取り除くというその行為は、むしろ霊媒師に近いのかもしれません。
これに対して、現実の占い師は心の闇との付き合い方を探るための啓蒙機関のようなものなんでしょうね。
僕としては説教・啓蒙されるオバちゃんに占ってもらうよりも、DQ10のような占い師がいてくれるほうが助かるんですけどね。
・・くだらないボヤキにお付き合いくださってありがとうございます。
さて、ゴレオン退治の練習をせねば。
それでは、また(^^)/