最近、ドラクエⅩVer.4の公式ガイドブックが発売されました。
白宝箱のドロップ率法則やら、超ハッスルダンスの射程など、プレーヤーの心をくすぐるような情報が満載です。僕は買う予定はありませんがw
あ、ちなみに僕はアフィをやっていないので、以下の画像は単なる参照画面以上の意味はないですよww

ドラゴンクエストX 5000年の旅路 遥かなる故郷へ オンライン 公式ガイドブック アストルティア防衛軍+白宝箱+いにしえのゼルメア編 【バージョン4.0~4.1】 (SE-MOOK)
- 作者: .
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2018/03/22
- メディア: ムック
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当然、ブロガーにとってこの本は、いい「ネタ」になります。
しかし、中には「有料の情報を拡散してPV目的にするとはナニゴトだ!」という批判コメがちらほらあります。中には著作権侵害じゃね?という人間までいる始末。
著作権が絡むとなると、ちょっと僕でも語ることができるかもしれません。
この点につき、一部のブログで誤解した解説をしている記事もあるので、ここで改めて今回の問題点を整理してみることにしましょう。
1 著作権侵害なのか?
(1)著作権問題を考えるときの思考パターン
著作権の問題が生じたときは、大体以下のような思考パターンで考えることが多いです。もちろん僕なりのまとめ方なので、細かい点は異論・反論はあるかもしれませんが、概ね誤りではないはずです。
①そもそも「著作物」として利用しているか
②その著作物の著作権者は誰か
④私的使用などの許容規定の適用はないか
他にも、著作権の保護期間など細かい点もチェック項目になりますが、代表的なものを挙げました。
(2)攻略本の「何をつかって」記事を書いているのか?
さて、ドラクエの話に戻すと、今回話題になっているのは、ブログ内で白宝箱のドロップ率法則やらメイヴのHPやらを記事上で公開している行為です。
これは、上記①の問題です。
結論からいうと、白宝箱のドロップ率法則などは単なる情報であり、それを利用しても著作物としての利用ではないので、著作権違反の問題は生じません。
この点、勘違いしやすいのですが、攻略本そのものはもちろん著作物です。しかし攻略本を著作物として利用しないと著作権侵害にはならないんですね。
では、著作物としての利用とはどういうことでしょうか。
たとえば、白宝箱のドロップ率について説明するために、どんな画像を使おうか、どんな文章で説明しようか、などその人の個性を発揮して表現しますよね。その表現方法を利用することが著作物としての利用です。
たとえば、攻略本の白宝箱について書かれたページをそっくりそのままブログに乗せたら、スクエニサイドが創作した表現技法を利用しているので著作権侵害にあたる可能性があります。一方、ドロップ率の法則そのものは表現方法とは関係ない抽象的な情報なので、これを利用しても著作権法上はシロということですね。
もう少しわかりやすい例でいうと、例えば「じつはVer.4のラスボスは〇〇だった!」なんて暴露記事を書いても、ネタバレの批判こそされても「著作権違反だ」とはいいませんよね。それと同じようなものです。
(3)攻略本の表紙の写真を載せるのはいいの?
攻略本の表紙には、ドラクエのキャラクターなどが載せられています。
そして、ここではそのキャラクターを使ってどうデザインすべきか、というスクエニ側の創意を凝らした表現がされているので、表紙をブログ掲載するのは著作物としての利用です。となると、上記の①の項目はクリアしています。
また、その著作物の著作権者はスクエニ等であり、それをブログに掲載することは公衆送信権などの著作権に抵触する行為ですので、②及び③もクリアです。
しかし、一般に本の表紙を載せる程度なら、引用目的として許容されるので、④の段階でセーフになるはずです。実際問題として、本の表紙を載せられなければ、何の本について論じているのか示すことができなくなるので、これを許容する必要性は大きいでしょう。
ちなみに、ブログランキング1位の人のブログは、表紙にわざと人形を置いて、表紙の全面公開をしないように心掛けています(そうですよね?)。さすがプロです。
2 著作権とは別の問題は残る
もっとも、著作権上の問題がないといっても、攻略本の情報を垂れ流しにするような記事は、いわゆる「ネタバレ」であり、誉められたことではありません。攻略本を買う必要がなくなるほどのひどい情報漏えいだと、民事上の不法行為責任を追及されてしまうかも・・。
結局この問題は、攻略本を参考にしたブロガー側の利益である「表現の自由」とスクエニや一般読者の利益である「ネタバレ防止」の衝突なんですね。
出版物から得た情報をもとに論評をするというのは、当然の表現活動ですので認められるべきでしょう。これを批判したら文芸批評の全否定です。しかし、情報を売り物にしている側にとっては、むやみにブログに内容を拡散してほしくないのもまた事実。
僕としては、攻略本を買う気をなくさせるような垂れ流し的なネタバレはブログ上では慎むべきだと思います。どうしても攻略本をネタに記事を書きたいなら、攻略本の情報をより掘り下げる等、発展的な記事を書くべきでしょう。
表現の自由を主張するなら、それなりの創意工夫が求められると思いますよ。
本日も、最後まで読んで下さりありがとうございます。