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今日はドラクエⅩの総論的な感想を少々。
先日ネットでドラクエⅩについての評判をちょっと覗く機会がありました。オンラインゲームの評判については、例えばこんなレビュー・サイトなどは割と有名ですね。
ドラゴンクエスト�](ドラクエ10・DQ10) レビュー・評価 オンラインゲームランキング
これらの記事を見ていると、サイトによって微妙に違いはあるけれど、総じてドラクエⅩはクソミソにいわれています。そんなにこのゲームはつまらないのでしょうか?
この種の批判レビューの中には、
「金策レベル上げなどのルーティンが面倒」
「他プレーヤーに嫌なことをされてウザい」⇒プレーヤーの「民度」批判へ
など、ドラクエⅩの内容自体よりもMMO特有の問題に文句を言っているような人も散見されるので、うのみにするのは危険ですが、それを差し引いてもいい評判が少ないですね。特にVer.2まではいいけど、Ver.3.0以降の内容がスカスカであるという批判は根強い。
しかし、Ver4.3を迎えようとしている2018年8月現在でもこの評価は適切なのでしょうか?
今回は、ちょっとその辺のところを述べてみます。
1 以前までのVer.3の低評価は主に初期組の人の感想じゃないかな?
Ver.3の評価レビューについては、その評価をした当時の状況を考えてみる必要があります。つまり・・
Ver.2が終わって大型アップデートまでに長い「おあずけ」をくらった後に、期待を込めてVer3.0のフタを開けてみると、新フィールドまで進めない・・。そして再び長いアップデート期間を待たされて、やっとナドラガンドに行けたと思ったら、その後は狭いフィールドと一本調子のストーリーをぶつ切りにした小出し配信・・。
こんなフラストレーションがたまった状態のレビューであることを考慮に入れなくてはいけません。
しかし、今の初期組や僕のようにVer3から参入した中途組は、そのような「おあずけ」をくらった経験がありません。そして僕の場合、「おあずけ」なしにVer.3を通しでプレイするとそれほど悪い印象はありませんでした(無論、メインコンテンツ作成をそっちのけにして学園にうつつを抜かした某ディレクターの問題は残るけど)。
つまりVer.3のつまらなさは、ゲーム作成・配信の進行のやり方がまずくてプレイのテンポが崩れた点によるところが大きいんだと思います。そう考えると、今の新規組の人がVer.3をプレイしてもそこまで悪い印象はないんじゃないかな?って気がします。
2 「それでもVer.2の方がいい」理由を考えてみた
ただ、それを差し引いてもVer.3のストーリーというか世界観には一抹の物足りなさがあるのは事実です。それはなぜなのか自分なりに考えてみました。
⑴ 勇者の存在
やはりドラクエは勇者の存在がないと「らしさ」がありません。
Ver.2は、アンルシアの人生をメインストーリーに絡めているので、ドラクエらしさが強かったです。
しかし、Ver.3ではアンルシアが拉致されて、勇者が不存在のまま話が進んでいきます。一方、主人公はナドラガ教団の「解放者」として冒険をするんですが、なんか宗教じみていて面白さ以前にドラクエらしさを感じないんです。
⑵ エテーネ時代との連続性
Ver.2も後半になるとルシェンダからのおつかいクエスト等のルーティンも増えて、ちょっとしんどく感じることもあるんですが、滅ぼされたエテーネについてのストーリーの掘り下げが功を奏して、モチベーション維持につながりました。
兄弟やシンイはその後どうなった?という興味深いテーマについて扱っていたので、冒険していて楽しかったのを覚えています。もちろんこのテーマはVer.3でも扱っていますが、本格的にストーリーが動くVer3.5までの道のりが長すぎて、間延びした感が出ちゃいましたね。
⑶ フィールドの世界観がVer.3に比べて濃密
Ver.2のフィールドはアストルティアの中心に位置するレンダ―シアです。
レンダ―シアを回ると個性がある国や町があり、それぞれ印象に残るキャラがいます。メルサンディ村のザンクローネだったり、セレドの町のリロゼッタだったり、アラハギーロのセラフィだったり・・。
ところが、Ver.3にはそういう印象にのこるご当地キャラがいません。リルチェラやサジェは比較的存在感があったけど、全体的にはVer.2ほどではないな~という印象です。
3 Ver.3以降に潜む「ツギハギ感」?
なぜこのようなことが起こるんでしょう?
巷ではりっきーの力量不足が挙げられてましたが、今回はちょっと違う目線から考えます。
極論を言うと、実はドラクエⅩの本質的世界はVer.2で完結してしまったのではないでしょうか?
ドラクエⅩの開発当初、既にVer.3のはじめくらいまでの大まかなストーリーは出来上がっていたらしいですね(序盤のエテーネフィールドにある清き水の洞くつにも竜族について言及があります)。
つまりレンダ―シアまでの話は、勇者の覚醒、エテーネの続きなど、開発当初に練り上げたストーリーの掘り下げが多いですから、比較的骨太な話ができます。
しかし、実際ナドラガンドまで来ると、だんだんストーリが先細りしてきます。
Ver.3は、基本的に竜の世界の話だけで、他の話と絡めにくい。本質的なストーリ進行だけなら、実は1回分くらいで描き切れてしまうでしょう。
そこを(表現は悪いですが)各地を冒険させて「時間稼ぎ」して嵩増しするわけです。
こういったストーリーの流しかた自体は、Ver.3のみならずドラクエ全般にいえることですから別に悪いこととは思いません。Ver.1だってネルゲル討伐までの間5大陸を巡っていますしね。
しかし、Ver.3以降特有の問題は、フィールドの世界観を掘り下げることに限界があることなんです。
ナドラガンドはアストルティアではない「別世界」なので、開発当初から構想を練り上げた6大陸よりどうしても扱いが浅くなりがち。そんなフィールドのみで長期間プレーヤーを満足させるストーリーを作ること自体そもそも無理があります(製作者側がこれを言ったら問題ですが)。
Ver.3の場合、そんな無理を覆い隠してVer.3.5までの間、世界観が薄弱なフィールドをつかって時間稼ぎをしたから、「ツギハギ感」「間延び」感が出てしまったんだと思います。
じゃあ、りっきーが学園などにうつつを抜かさずに、本気でメインストーリーに取り組めばこの問題は払しょくされたかというと・・マシにはなるかもしれないけど、根本的にはそんなに変わらないと思っています(むしろ彼自身も「変えられない」と思ったから学園というコンテンツで場を凌ごうとしたとも解釈できる)。
4 Ver.4以降も同様の問題は残る
「根本的にはそんなに変わらない」というのは、Ver.4でみるとわかります。
Ver.4は、Ver.4.0当時こそ過去世界を巡る新鮮さとエテーネ王国のフィールドの広さにに「おおっ!」とはなったものの、その後は6大陸の過去を回るだけで本質的に新しいフィールドがあるわけではありません。Ver.3ほどの単調さはないものの、「ツギハギ感」という意味ではそんなに変わらないのではないでしょうかね。
6年以上RPGを続けている以上、これはある意味仕方のないことなのかもしれません。
今後も新しいディスクの最初のバージョンと最後のバージョンだけ大きく話が進んで、中盤は従前の世界のスピンオフ的な世界を細切れで冒険する・・そんな展開が続くと思います。本格的に新しいフィールドが冒険したいなら、ドラクエⅫを待った方がいいです。
5 さいごに
そんなこんなを考えると、ドラクエⅩでVer.2までの評判が良かったというのは、実は均衡のとれたRPGの世界を描くにはVer.2くらいのボリュームが限界、ということの裏返しなのかもしれません(だからこそ、メインストーリーの合間のコンテンツなどの充実が重要になってくるんでしょうが)。
それを超えてゲーム制作を続ける運営は、やっぱり難しいことをしているんだと思います。
学園のせいでメインがスカスカになったりっきー
メイン重視を豪語したら、コンテンツで不評をいわれている安西D
ドラクエⅩが理想のMMOになることはあるのだろうか?
MMO素人の僕にはどうしたらいいのかよくわからないけど、これからできるだけ長く続けられるようなゲームを作ってくださるよう陰ながら生暖かく見守っております。
それでは、また('◇')ゞ