愛らしい表情で人気があり、ドラクエⅩをプレイしたことがなくても、何となく見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。
ちなみに、ももんじゃといえば低レベルのモンスターのイメージがありますが、ドラクエⅩではVer.4からの登場なので、レベル99相当のモンスターということになります。そのせいか、ドラテンのももんじゃはなかなか強いですw
さて、そのももんじゃですが、その可愛さのせいで、一時期以下のような問題がありました。
(※冒険者の広場内の提案広場より抜粋)
こんなコメントが、とあるプレーヤーから投稿されてしまったのです。某黄色いプクリポブロガーさんもこの問題を取り上げてましたね。去年の年末くらいの話でしょうか。
この問題に派生して、一部のコメント欄において「ももんじゃは愛護動物だ!」なんてほざく輩も出てきました。
流石にここまでくると、「おめーら、難癖つけんのもいいかげんにしろ!」ですがw
もちろん運営側はこの種の提案は一切無視。ももんじゃ問題は、現在ほぼ忘れられたテーマになりつつあります。
しかし、難癖が大好きなのはこのブログも一緒。
今回は、果たしてももんじゃが愛護されるべき存在なのかについて、その法的地位を合わせて考察してみたいと思います。
1 まず、ももんじゃの倒れ方をみてみる
ももんじゃは冒険者にやっつけられると、かわいいような痛々しいような何とも言えない悲壮感を醸しだした後、コロンと倒れます。
当ブログで動画機能を用意していないのが悔やまれますが、画像から雰囲気を感じ取ってもらえればと思います。動画が見たい人は、他のサイトをググればまだあると思いますよ。
2 ももんじゃは「愛護動物」か?
さて、この愛らしいももんじゃを法的に救ってあげることはできないでしょうか。
動物を守るための法律といえば、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)です。関連条文を見てみましょう。
第44条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。
同条4項 ・・「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。
ここから分かるように、ももんじゃが動物愛護法で守られるためには、その動物が同法44条4項にいう「愛護動物」にあたらなくてはなりません。単に「かわいいから」というだけでは保護されないんですね。
まず、同項1号にある動物にあたるでしょうか。
1号では、人間の生活に密接にかかわる動物を特に挙げたものとされています。その趣旨からすると、この動物の範囲を解釈によって広げることはできません。つまり「ももんじゃはモグラと鶏とあひるを合わせたような動物なんだから、『鶏』や『あひる』と同視すればいい」という解釈はできないわけです。よって1号はダメ。
次に2号はというと、フィールド上にいるももんじゃは、誰かに管理されているわけではないでしょうから、「人が占有する動物」ではありません。したがって2号にもあたりません。
しかし、2号の条文によると、ももんじゃがプレーヤーの仲間モンスターになった場合には、「人が占有する動物」として愛護動物に該当する可能性があります(ももんじゃは哺乳類でしょうから)。
ちなみに2号によると、人が占有している者でも、哺乳類、鳥類又は爬 虫類に該当しなければ、「愛護動物」にはなりません。つまりペットの金魚は愛護動物にならないんですね。もし他人の金魚を殺した場合には、器物損壊罪にしかならないということになります。
そんなわけで、ももんじゃが動物愛護法で守られるには、誰かの仲間モンスターになるしかないようです。ももんじゃのためにも仲間モンスターの実装を望みますw
3 モンスターバトルロードは動物愛護の精神に反しないか?
では、ももんじゃが仲間モンスターになれば、動物愛護法上保護されて「めでたしめでたし」かというと、また別の問題が生じます。
仲間モンスターになれば、主人にモンスターバトルロードへ連れていかれる可能性があります。ちなみにモンスターバトルロードとは、モンスター闘技場でモンスター同士が戦うイベントです。
この世の悪に立ち向かうための闘いならともかく、こんな娯楽まがいのことで、ももんじゃを傷つけるのは動物愛護の精神に反するのではないでしょうか。
実は、この種の問題はリアルの世界でも問題になります。
例えば、闘牛やら闘鶏など、人が動物同士を戦わせるイベントは多いですよね。これが動物愛護法44条にいう「愛護動物をみだりに・・傷つけ」る行為にあたるか、ということが以前にちょっと話題になったんです。
これは、このようなイベントが「みだりに」動物を傷つけるものか、という解釈になるんですが、実はこの件については公式見解があります。
内閣総理大臣官房管理室長の回答(昭和49年)
「伝統行事として社会的に認容されている闘犬・馬力大会等は法律上の禁止行為に該当しない」
要は伝統行事として社会的に是認されていればいいよ、ということです。当たり前といえば当たり前ですがw
モンスターバトルロードについてみてみると、この行事はアラハギーロ地方で伝統的に行われている行事の一つで、世間から認知されているようです。
そんなイベントならば、ももんじゃをバトルに参加させても、少なくとも法的には動物愛護の精神には反しないということになりそうです。
4 結論
以上のように
・どんなにかわいくても、ももんじゃは愛護動物としては法的に保護されない
・仲間モンスターになれば愛護動物になり得る
ということになります。
全国の冒険者の皆さん。少なくとも法的には、フィールドでももんじゃを大量虐殺しても、我々は無罪放免のようですよww
今回も最後までお付き合いくださってありがとうございます<(_ _)>