タイトルを見て「んな奴いるわけねーだろ!」と仰る方もいるでしょう。
お説はごもっともです。
客観的に見れば、7年目を迎えているドラクエⅩで、今から職人をやるメリットなんて皆無に等しいです。
しかしですね、「今から」ドラクエブログをはじめる僕のようなものもいるんですよ。それなら、こんなテーマでも全国で10人くらいの需要があるかもしれないじゃありませんか( `ー´)ノ
それなのに、職人に関する記事を検索すると、ほとんど数年前の記事ばかり。完全に職人は過去の産業になっちゃってます。
そこで今回は、自ら「職人」という不毛な分野に切り込んでいこうとする奇特な盟友の皆さんのために、僕が経験している武器鍛冶のことをネチネチ書きたいと思います。
1 稼ぎたいなら武器鍛冶なんてやめなさい!
職人はドラクエⅩで目玉の分野でした。今でも「鍛冶職人で時給ン百万G!」なんて記事が散見されます。
でも、その記事、何年前のですか?
そんな情報を見て職人で稼ごうとするのは、バブル期の求人を見て職を探すが如く、ドラクエのトップブロガーの収入を見て「自分もブログ書くー☆」といっているが如くです。
貴方に武器鍛冶の天才的なスキルと、アストルティアの経済動向を的確に見抜く商才があるなら、何にも言いません。どうぞ始めてください。しかし、僕のような凡才には、今の状況では武器鍛冶で稼ぐなど思いもよりません。
ちなみに、僕は現在LV49かそこらのしがない武器鍛冶です。
僕のように職人に熱心じゃないプレーヤーも決して珍しくないはず。そんな僕の今までの経歴は以下のとおりです。
①職人レベル1~10まで
今から、2年前のことでしょうか。まだ、職人でも稼げるんじゃね?なんて勘違いをする余地が少しだけあった時代です。僕はそこまで金策に熱心ではありませんでしたが、「暇つぶし」の選択肢として、武器鍛冶を始めることにしました。
職人の中で武器鍛冶を選んだのは、メインが戦士だったので、装備できる武器を自分で作れたらいいなーと思った程度の理由でした。
職人を始めた当初は、もっぱらギルドの日替わり受注をこなす毎日です。
貰える職人経験値やゴールドは、当時にしてはそこそこ高く、お小遣い稼ぎの傍わら職人レベルがぐんぐん上がっていくので、割と気分がよかったですね。
↓初心者の味方「ギルドの日替わり受注」
②職人レベル20~30まで
次第に、日替わり受注だけでは職人レベルを上げるのがしんどくなってきました。レベル上げに求められる経験値が高い割に、割のいい受注が少なすぎるからです。
となると、ギルドの以来以外でも自分で武器を作って、他のプレーヤーの皆さんに買ってもらうという営みをしなくてはいけません。職人として自立するということですかね。
しかしですね・・これがなかなか割に合わない「営み」なんですよ。このレベル帯で割とよく作られるプラチナクローを例にしてみましょうか。
まず必要になる素材は以下のとおり(値段は3月9日時点の概数)
プラチナこうせき(350G) 4こ
黄色の宝石(620G) 1こ
ヘビーメタル(920G) 1こ
ようせいのひだね(1,000G) 4こ
合計6,940Gです。
では頑張ってこれを作って、いくらで売れるかというと・・(参考文献「DQX相場情報」3月9日時点)(*プラチナクローの以下の記述について誤りがありました。以下の文章は3月23日に訂正したものです。申し訳ありませんでした。)
プラチナクロー+1 7,500G
プラチナクロー+2 9,900G
500~3000Gくらいの利益でしょうか。ちなみに後日プラチナクローの+0の値段を調べてみたら6,000G 位の売値でした。これでは赤字です。レベル20くらいの初心者の段階では、出来のいい武器を作るのは難しいです。そんなことを考えると決して割のいい金策ではありません。
ちなみに、プラチナクローを作って得られる職人経験値は212P。
元気玉や料理を使えば、もっと値はアップするでしょうが、それでもレベルを上げるためだけにこれだけ延々と作り続けるのは、はっきりいって苦行です。
僕はこの時点で職人で稼ぐのは向いてないなと思い、日替わり受注で職人レベルを上げるだけに専心しました。僕の職人レベルの上昇が遅いのも、日替わり受注以外で商品をほとんど作らないからです。
③職人レベル30以上~現在
このレベル帯になると、さらに職人レベルを上げるのが難しくなります。
それでもどうしても職人レベルを上げたいなら、こおりのやいばのような比較的原価の低い商品を作って捨て値で売るという作業を繰り返します。もちろんプラチナクローの例で挙げたように、大赤字の連続。この方法だと総計100万ゴールド位はドブに捨てることになるんじゃないですかね・・(´・ω・`)
僕は、そこまでしてレベルを上げたいと思いませんでした。
以前ならともかく、今あわててレベルをカンストさせて得することはほとんどないからです。
確かにレベルカンストすれば、高レベルの装備品は作れるし、必殺技もでるので、そこそこ完成品の出来の良さが上がります。しかし・・
・白宝箱のせいで+2以下の装備品にほとんど価値がない
・といって+3装備を作ろうと思うと、大変な経験と予算を要する
ことを考えると、レベルカンストに魅力があまりないんですよね。
以前は、白宝箱がなかったので、レベルが高い武器は職人から購入するしかありませんでした。需要が高い割に供給が少ないこともあり、人気の+3装備なんてン百万ゴールドの値段になることも決して珍しくありません。そんな状況だったので、+2以下の失敗品でも結構いい値段で買ってくれる人はいたんです。
しかし、白宝箱が出るようになってからというもの、出来の良さにこだわらなければレベルの高い装備品でもそこそこ手に入りやすくなりました。
となると、プレーヤーは+2以下の装備品に大金を払うなんてばかばかしくなるんですよね。したがって、職人勢としては、+3装備を頑張って作らなくてはいけません。ところが、+3装備を作るのは実際にはえらく難しいわけです。
しかも、人気の高レベルの装備品は素材費用だけでもべらぼうに高いですからね。例えばLV96装備のオートクレールの素材は・・
*3月9日現在(単価は概数)。
そう、100万G以上かかるんですよ。
じゃあ、これがいくらで売れるかというと・・
オートクレール(+0) 約60,000G
(+1) 約80,000G
(+2) 約140,000G
(+3) 約950,000G
*値段は3月10日現在
厳密には、同じ出来の良さでも錬金内容によって値段が大きく異なるので、上の数字はあくまで一つの目安にすぎないのですが、基本的に赤字であることは確かなようです。
素材に100万G以上かけても、赤字になる可能性の方が遥かに高いわけです。こんな割に合わないことするくらいなら、キラマラやった方がよっぽどウマい金策でしょう。
最新装備品ですらこれほど稼ぐのが難しいのです。
だから僕も職人業には精が出ずに、LV49あたりで止まっているんですよ(*'ω'*)
2 それでも武器鍛冶やるというひとへ
「それでも」やっぱり始めますか?
いいですねー。僕はそういう非効率的なことをしようをする人、大好きですw
そんな方々のために、僕のような凡才職人でも感じられる武器鍛冶のちょっとしたメリットを紹介しましょう。
① 自分の作った武器が売れるという達成感
まず、平凡な理由ながらこの感情は大きいです。
特に武器鍛冶を始めたばかりのころは、商品を通じて他のプレーヤーと触れ合えたような気がして嬉しかったのを覚えています。
② 結晶装備なら少しは需要がある
先ほど武器職人は金策にはならないといいましたが、それは効率のいい大儲けができないという意味です。
確かに最新装備生産で大金を手に入れようとするとハイリスク・ハイリターンですが、レベル50装備前後のいわゆる結晶装備であれば、地味ながらお小遣いは稼げます。
たとえば、武器の結晶装備で割と有名なのが天馬の大剣です。
素材費用は・・(3月10日現在。単価は概数。)
ひかりの石(220G) 15こ
天使のソーマ(1,300G) 2こ
グリーンオーブ(7,000G) 1こ
ようせいのひだね(1,000G) 14こ
合計26,900G
一見高いですが、ようせいのひだね以外の素材は、大方自力で集められます。上記のプラチナクローのようにレベル上げのために量産する必要はありません。素材が集まったなーと思ったら作ればいいのです。
そして売れる値段は・・
天馬の大剣(+0) 約10,000G
(+1) 約16,000G
(+2) 約32,000G
(+3) 約90,000G
*値段は3月10日現在
つまり、失敗さえしなければそこそこ利益が出ます。
仮に失敗しても、オートクレールのように一気に100万G単位が吹っ飛ぶということもないので、挑戦しやすいですよね。
③ 金策方法を使い分けられる
例えば、げんませき集めで金策をしようとするときに、バザーの価格をチェックします。そのとき値段が安かったら、職人をやっていかった場合、ガッカリして金策をやめるだけです。しかし、職人をやっていれば、この機会にげんませきを大量購入して武器を作っておこう、と別の商機を見出せるのです。
④ バザー購入者の気持ちが分かる
たとえば、キラマラでさくらの花びらが手に入ったので、バザーで売ろうと考えたとします。
さくらの花びらは武器鍛冶の日替わり受注品である斬夜の太刀の素材です。
日替わり受注で職人経験値とお小遣いを稼ぐ人間にとっては、ぜひ作っておきたいところです。
そのような事情が分かっていれば、「今日は斬夜の太刀が受注されているから、さくらの花びらも結構、強気の値段で売れるな」という発想ができるわけです。さらに、斬夜の太刀作成に必要な花びらの数は6つですから、購入者のことを考えて6つセットで売ったりすることもできます。
武器鍛冶をやっていないと、こういう発想は難しいですよね。
そんなこんなを考えると、凡才職人の僕にとっても、武器職人になることは悪いことばかりじゃないと思います。
※(後日注)
Ver4.5以降、日替わりでも万単位の受注がコンスタントにできるようになりましたので、以前と比べると金策はしやすくなっています。地味な金策を狙う人にとっては、職人のうまみがほんの少し増えたかもしれません。
3 今から職人になる=今からドラクエⅩブログをはじめる
上記のような構造をみると、今から職人になるのは、今からドラクエⅩのブログを始めることとそっくりだな、とおもいます。
・本格的な金策は、すでに大物既得権益層が席巻しているこの業界では期待できない
・それでも頑張れば、ほんのすこ~しお小遣いが手に入るかもしれないよ
・金策のことを考えなければ、ドラクエⅩの別な楽しみ方が広がり、それはそれで悪くないよ
といったところが僕の感じる共通点です。
最近ドラクエⅩブログを始めた僕が、今から職人を始めようとするプレーヤーの皆さんに親近感がわくのはそんな理由があるからかもしれません。
・・何やら長い記事になってしまいました。
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございます<m(__)m>