アストルティア☆ゴールドブレンド

ドラクエⅩに関する雑記録~芳醇かつ軽薄なひとときをあなたに~

ブログによりゲーム通貨を集金するという行為の問題点

ご訪問ありがとうございます。

 

最近、有名ブロガーがブログなどのSNSを通じて、ドラクエ内のゲーム通貨であるゴールドを集める行為が問題になりました。その理由は、マイタウンの建設資金2億ゴールドが高額であり、自分の金策のみでは調達が不可能だからというもの。つまり「ゲーム内で自分の町を作りたいから、ゴールド頂戴。」ということです。

 

この行為は冒険者の広場をはじめ方々から批判を受け、今では借金形式にして、最終的にはゴールドを返す形に変更になりました。

しかし、あとで金を返せばいい問題なのか?これはネトゲとリアルの世界の関係性がどうあるべきかという本質的な問題に絡むので、ちょっとこの場で検討してみたいと思います。

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1 そもそも「募金」や「クラウドファンディング」の言葉に誤解があるのでは

まず、今回集金行為を行ったブロガーは、「募金」という形でゴールドを集めました。

しかし募金とはそもそも寄付金を集めることであり、寄付とは金銭や財産などを公共事業、公益・福祉・宗教施設などへ無償で提供することを指します(Weblio辞書より)。つまり、そこで集められた資金は何らかの社会活動として使われ、最終的にはその利益が(間接的であれ)社会に還元されることが予定されています。だからこそ不特定多数の人間から資金を調達することが正当化されるわけです。

 

一方、今回の集金行為は、ブロガー個人がマイタウンを作りたいという個人的目的、いわば単なる物欲に基づくものです。

これは自分が欲しいものを買うために金をくれといっているようなものですね。表現は悪いですが「物乞い」と同じです。本来、自分の行う活動の社会的意義を説明できないのであれば、そもそも「募金」という表現を使うべきではありません。

 

クラウドファンディングも同じです。

よくSNS上で堀江貴文などのインフルエンサーが資金を募る場面がありますが、それは自分の事業を趣旨を説明してそのサービスをいかに社会に還元するかというアピール抜きにはあり得ない話です。出資者は募集者個人に金を払うのではなく、「その事業に」金を払うのですから。

クラウドファンディングで集められたお金は、集金者のポケットマネーではないのですから、当然、運用について説明責任が求められます。出資者は自分が払った金が、個人の自己満足ではなく、社会に役立っているかを注目しているわけです。

そんなクラウドファンディングの図式を今回の事例にあてはめるのは、僕は無理があると思いますよ。少なくとも一部でいわれているように、あとで金を返す形にすれば、クラウドファンディングみたいなもんだから問題はない、とは考えることはできません。

 

2 アストルティア経済に与える影響

⑴ はじめは「別にいいじゃん」とおもっていた

もちろん「出資者は好きで金払ってるんだから問題ないだろ。」と考えることも論理的には可能です。実はかくいう僕も、最初のうちは今回の問題について「そんなに目くじら立てることじゃないだろ」と思っていました。

 

よく「自分は職人などで地道に金策しているのに、SNSで短時間で多額の金を集められるのは不公平だ。」「金策のやる気がなくなる」という批判があります。

しかし金を集める能力に個人差があるのは自由経済社会では当たり前のこと。僕が日々の労働でなけなしの日銭を稼いでいる一方、有名なインフルエンサーが短時間で資金を集められるのは不公平だ、なんて誰も言わないでしょう?

今回の問題だって、「有名ブロガーは日々の努力で今日の名声や影響力を勝ち取った。それを利用して他の冒険者よりも容易にゴールドを集められるのは当然のことだ。」と、一応考えられるんです。

少なくとも当初の僕は、それに近い考えで今回の有名ブロガーの行為は悪いこととまでは思ってませんでした。

 

⑵ でも やっぱりおかしいぞ

しかし最近になって上記の考えを修正しつつあります。

つまり、リアル社会の資金調達とアストルティアでの経済活動を混同してはいけないと思うようになったのです。

 

上記の例で、有名インフルエンサーが自分より容易に資金調達できるのが正当化されるのは、「悔しかったらお前も大衆から共感してくれるようなインフルエンサーになれ」といえるからです。つまり「お前もその気になれば同じ市場で勝負できるだろ」という理由が成り立つからです

 

しかしゲームの場合はどうでしょう。

「悔しかったら、お前も人気ブロガーになってゴールドを集められるようになれ」という理屈は正しいのでしょうか?

これは違うと思います。この考えでは、「ゲームの世界で豊かになりたいなら、リアルの世界で有名になれるよう努力しろ」といっているのと変わらない。つまりゲームでの経済的な勝負に、(リアル社会という)違う土俵での勝負を持ち込むことになってしまうわけです。

 

しかしリアル世界の影響力が不当にゲームの世界に浸食すれば、ゲーム内の経済の均衡が保てなくなります。

極端な例でいうと、有名ブロガーが、職人となって作った商品をSNS上で宣伝して、「買ってくれたら、フォロワーになってあげますよ~」なんてことをやったらどうでしょう?ゲームの世界では戦えないところで販売競争の勝ち負けが決まってしまいます。

 

本来このようなリアル社会からの不当な影響を阻止するために、RTM行為が禁止されているはずです。例えば、リアルの金を出せば簡単にゴールドが手に入るのであれば、ゲーム内の金策なんて価値のないものになってしまいますが、それでは困りますよね。

今回の件は、リアルの金は動いていないにしても、ブロガーの影響力というリアル世界の力をゲーム内に持ち込むという点で、RTMと同じようにアストルティア経済にあまりいい影響を与えないと思いますよ。

 

3 まとめ

以上のように考えると、「借金の形にすればいい」とか「ゴールドを払うやつは好きでやっているのだからいい」みたいな理由は、ちょっと通用しないんじゃないかな、と思われます

 

実際に今回のような行為を規約違反で処罰するべきかは別としても、アストルティアの世界は、いい意味でリアルの世界と隔絶されているべきだし、運営にもそれを維持するゲーム管理をして欲しいところです。

 

それでは、また。


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